こんにちは、働くC#プログラマーのさんさめです。
チームで開発していると、
自分の担当じゃない部分で追加実装のお願いや、
どう作ればいいか聞きたくなることが
必ずでてきます。
幾年か働いてきた経験から、
スムーズにいく相談とこじれる相談があることが
分かってきました。
具体的には、
「何をしたいか」を最初に伝える相談は
比較的スムーズに進み、
「何をして欲しいか」を最初に伝える相談は、
ややこじれる傾向があると感じています。
技術にフォーカスした記事ではありませんが、
- 相談を始めたつもりなのに
- いつの間にか口論みたいになる
- なぜか言いたかったことが伝わらない
- 相談してから実装したのに
ちゃぶ台返しをくらった
といった経験をお持ちの方は、
何かの参考になるかもしれません。
失敗談を交えて紹介します
「何をして欲しいか」から始まる相談とは
それでは、
こじれる傾向にあると述べた、
「何をして欲しいか」を最初に伝える相談
とはどんな相談の仕方でしょうか。
私がよくやってしまった例を挙げると
「〇〇する方法を教えて欲しい」
という相談の始め方です。
〇〇の中には、
- あるクラスの持つ情報を取得する方法
- アプリで永続化したい情報の保存先
- 管理サイトのアクセス方法
などが入ります。
それだけ聞いても背景が無いから
良いか悪いか分からないよ
と思った方もいるかもしれません。
でも、それこそがこの相談の始め方の問題点なのです。
今あなたが思ったことを、
当然私が相談しに行った相手も思ったのです。
いくら同僚や上司が同じ仕事をする仲間と言っても、
- 「何の話だっけ?」
- 「使い方によるから一意に回答が定まらないな」
「そもそも何に困ってるんだろう?」
と様々な疑問が頭に浮かんでしまっていたことでしょう。
となると結局、
その相談をしに来た経緯を最初から詳しく聞かねばならず、
質問を質問で返す羽目になります。
するとどうなるでしょうか。
最初に質問をした私は、
「どうしてすぐに答えてくれないんだろう?
答えさえくれれば進められるのに!」
と逆に相手に責任を押し付けてしまうわけですね。
我ながら
結構な傍若無人っぷり
そして相談だった何かは
段々とこじれていくことになります。
また、仮に相談相手が深く考えずに、
「ああ、それならこうしてくれればいいよ」
と教えてくれた場合でも、問題があります。
背景の共有が不十分だったために、
教えた方法を意図しない用途に使うことがありえます。
すると、実際にできた成果物を見てから
「そんなつもりで教えたわけじゃなかった。
そういう場合はこっちの方法を使って欲しい」
という具合にちゃぶ台返しをせざるを得ないわけです。
相談自体はこじれていなかったかもしれませんが、
仕事の進行がこじれてしまうことになります。
「何をしたいか」から始まる相談とは
では次に、
私がおススメする
「何をしたいか」から始める相談について説明します。
これは、
「□□ということをしたい。
〇〇という方法で進めようと思っているが
詰まってしまった / 懸念はないだろうか」
といった相談の入り方になります。
□□と〇〇の中には、それぞれ
- ユーザーに処理の進行状況を見せるUIを作りたい
- そこで、あるクラスの持つ情報が
進行状況を表しているように
思えたので取得する方法を教えて欲しい
- そこで、あるクラスの持つ情報が
- ユーザーがウィンドウサイズを変更したら
次に起動する時にそのサイズで起動するようにしたい- そこで、こういう時にアプリで永続化したい情報は
どこに保存するべきか教えて欲しい
- そこで、こういう時にアプリで永続化したい情報は
- 最近追加した新機能の使用状況を調べたい
- サーバーへのログ投稿は教わったやり方で
既に行っているので管理サイトの入り方と
その見方を教えて欲しい
- サーバーへのログ投稿は教わったやり方で
といったことが入ります。
(インデントが一段低いのが〇〇に入る方です)
どうでしょうか。
適切な回答を下せそうな感触を抱けたでしょうか。
〇〇の中には、
さっきの「何をして欲しいか」の
中とほぼ同じことが入っているね
はい、実は〇〇の中には、
上述した「何をして欲しいか」の時にあげた
例とほぼ同じことを入れています。
ところが、先に「したいこと」を
説明したことによって、判断材料が増えています。
「何をしたいか」説明すると自然と背景が共有される
では、どうして判断材料が増えるのか、
説明したいと思います。
「何をしたいか」を先に言うメリットは
実はいくつもあります。
- 背景が先に伝えられる
- 思考のスイッチを切り替える猶予が生じる
- 困っている事が先に伝わるので要求が通りやすくなる
詳しく見ていきましょう。
背景が先に伝えられる
「何をしたいか」を先に説明することで、
「まず今話したいことはどの分野の話なのか」が
自然と最初に提示されることになります。
仕事をする中で単一のことだけ考えていればいい
ということはなかなかありません。
業務は思っていたよりも広いことを扱っています。
今まさに取り組んでいるプログラムの話、
開発ツールの話、機材の故障、はたまた雑談…?
先に話の背景が伝わることで
頭の中の色々な可能性がかなり絞られます。
「何をしたいか」はこの背景を伝えるのに、
まさにうってつけなのです。
相手が色々な仕事を持っている人ほど
背景の説明は多めにした方が良い
思考のスイッチを切り替える猶予が生じる
相談を受ける相手も、
当然今の今まで自分の仕事をしていたはずです。
そんな時にいきなり「この方法を教えて!」
と言われても、頭の整理が追いつきません。
場合によっては、
「ごめん、何の話?!」
という感じで焦らせてしまうことすらあります。
これも、最初に「何をしたいか」を話すことで、
相談される側は、
「あ~…だんだん思い出してきた、あれの話か」
と思考を整理する時間を作ることができるのです。
その上でやりたいことを聞かれれば、
「はいはい、その方法でOKだよ」
「そういうことをしたいんだったら、
こっちの方法を使うべきだよ」
といった判断を適切に下すことができます。
困っていることが先に伝わるので要求を伝えやすくなる
人は困っている人と、
そうでもなさそうな人だと
困っている人に手を差し伸べたくなるものです。
「何をしたいか」を先に言うと、
「とにかく困ってるんだな」となる可能性が高まります。
いきなり「何をして欲しいか」を通そうとすると
その緊急度合いや困り具合が伝わりにくいわけですね。
実は、この現象は心理学的にも認められていて、
カチッサー効果という名前がついています。
若干ズルみたいなところがありますが、
相談をこじらせないためにも、
使えるものはなんでも使うべきです。
まとめ
まとめです。
- 相談する時は「何をしたいか」から始めよう
- 「何をしたいか」から始めると話がこじれる可能性アリ
- 「何をしたいか」を先に説明するとメリット沢山
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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